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症状が安定していれば、数回に1回はオンラインで済ませることも可能です。
最近は規制緩和により、CPAP治療中の再診にオンライン診療を取り入れる医療機関が増えています。しかし、オンライン診療が可能かどうかは医療機関の設備や方針によりますし、初診からすべてオンラインで完結することは原則できません。
当院では「遠隔モニタリング」を取り入れており、CPAPの使用に慣れてこられたら3か月に1回の受診まで、受診頻度を延ばしております。
受診の無い月は、医師が患者さんのCPAP使用データをモニタリングします。
使用日数が少なくなったり、AHIの値が高かったりした場合は、クリニックから連絡し、受診を早めて頂くことになります。
多くのクリニックでは可能ですが、事前にホームページ等で確認しましょう。
大学病院や総合病院の場合は、紹介状がないと「選定療養費(数千円〜)」が別途かかることがありますが、一般的な開業医(内科・耳鼻科クリニック)であれば、紹介状なしで初診受付をしているところがほとんどです。
当院、神戸元町呼吸器内科・アレルギークリニックも、紹介状など無く受診して頂くことが可能です。
CPAP治療で保険適用を受ける場合、月に1回の受診が必須です。
これは厚生労働省のルールで決まっているもので、毎月受診して、機器の使用状況(きちんと使えているか、空気漏れはないかなど)のデータ確認と医師の指導を受ける必要があります。 ただし、CPAPの使用に慣れて安定し始めた場合は、「遠隔モニタリング」を医療機関が行うことで最長3か月に1回まで受診間隔を延ばすことができます。
当院でも、CPAPを導入して最初の頃は1か月に1回の受診をして頂きますが、きちんと毎日使用することが出来て、無呼吸の値(AHI)も一時間あたり5回以下に低下したら、受診間隔を延ばしていきます。3か月に1回よりも延ばすことは出来ません。
眠気や頭痛は「治療した翌朝」から劇的に改善する方が多いです。
CPAPを装着してしっかり眠れた日の翌朝は、「数年ぶりにスッキリ目覚めた」「世界が明るく見える」と感動される患者さんも珍しくありません。昼間の眠気や疲労感は、比較的すぐに効果を実感できます。 一方で、高血圧や血糖値の改善、心臓への負担軽減といった内科的な効果が現れるには、数ヶ月〜単位での継続が必要です。即効性のある効果と、長期的な効果の両方があります。
診断はできませんが、「受診のきっかけ」や「証拠」として非常に優秀です。
いびきアプリは、いびきの音量や無呼吸のような無音時間を可視化してくれるため、自分の睡眠状態を客観的に知るのに役立ちます。 医学的な診断(AHIの算出など)はできませんが、受診の際に録音データを医師に聞かせていただければ、スムーズな診断につながります。「自分のいびきを聞くのは恥ずかしい」と思わず、ぜひ活用してデータをお持ちください。
「起床時の口の渇き」や「寝具の乱れ」がセルフチェックのポイントです。
録音アプリを使うのが確実ですが、それ以外にも自分の体調で推測できます。
- 朝起きたとき、のどがカラカラで痛い(口呼吸の証拠)
- 枕がベッドの下に落ちていたり、シーツがぐちゃぐちゃになっている(苦しくて暴れている証拠)
- 夜中に2回以上トイレに起きる
- 血圧の薬を飲んでいるのに下がらない
これらに当てはまる場合は、誰かに指摘されなくても受診する価値が十分にあります。
はい。睡眠不足による「ぼけ症状」は、認知症と区別がつきにくいです。
高齢者の睡眠時無呼吸症候群では、昼間の反応が鈍くなる、記憶力が低下する、意欲がなくなるといった症状が出やすく、これらは認知症の初期症状とそっくりです。 これを「仮性認知症(治る認知症)」と呼ぶことがあります。認知症だと思って検査をしたら、実は無呼吸による酸素不足が原因で、CPAP治療を始めたら頭がはっきりして会話もスムーズになった、という劇的な回復例もあります。
CPAPは体に侵襲(ダメージ)がないため、高齢の方でも安全に行えます。
手術とは異なり、体にメスを入れたり強い薬を使ったりするわけではないため、80代や90代の患者さんでもCPAP治療を続けている方はたくさんいらっしゃいます。 ただし、高齢の方は皮膚が薄くなっているため、マスクによる肌荒れが起きやすかったり、口の渇きを感じやすかったりすることがあります。保湿ケアや加湿器の調整などを丁寧に行うことで、これらのトラブルは防ぐことができます。
気道の筋肉を支えていた「女性ホルモン」が減少するからです。
女性ホルモン(プロゲステロン)には、気道の筋肉の活動を高めて広げる作用があります。閉経まではこのホルモンに守られていますが、更年期を過ぎて分泌が減ると、男性と同じように喉の筋肉が緩みやすくなります。
実際に、閉経後の女性の有病率は閉経前の約3倍に跳ね上がり、男性とほぼ変わらない割合になります。「年齢のせい」と諦めがちですが、ホルモンバランスの変化による病的な変化ですので、治療によって改善が期待できます。
参考文献 (References)
1. 閉経とSAS発症リスクの関係を証明した研究
- Bixler EO, et al. Prevalence of sleep-disordered breathing in women: effects of gender, menopause, postmenopausal hormone use, and age. American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine. 2001.
- 解説: 女性の睡眠呼吸障害に関する大規模な疫学調査です。
- 閉経後の女性は、閉経前の女性に比べてSASになるリスクが約2.6倍〜3.5倍高くなることを報告しました。
- さらに、ホルモン補充療法(HRT)を受けている女性ではリスクが低かったことから、女性ホルモンの有無が気道の安定性に直接関与していることが示されました。
2. 女性ホルモン(プロゲステロン)の筋肉への作用
- Popovic RM, White DP. Upper airway muscle activity in normal women: influence of hormonal status. Journal of Applied Physiology. 1998.
- 解説: 米国ハーバード大学の研究者らによる生理学的な研究です。
- 女性ホルモンの一種である「プロゲステロン」が、オトガイ舌筋(舌を支える筋肉)の活動を活発にさせ、気道が潰れるのを防いでいることを明らかにしました。
- 閉経によりプロゲステロンが減少すると、この筋肉の張りが失われ、睡眠中に舌が落ち込みやすくなるメカニズムが解明されています。
3. 日本の診療ガイドライン
- 日本呼吸器学会
- 『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020』
- 解説: 疫学の項目において、「女性では閉経後に有病率が増加する」ことが明記されています。
- また、閉経後の女性は、男性と比較して「肥満の程度が軽くても無呼吸になりやすい」傾向があることや、いびき音よりも「不眠」や「倦怠感」を訴えることが多いという性差(ジェンダー差)についても言及されています。
いびきが目立たず、「不眠」や「頭痛」「冷え」として現れることがあります。
男性は「ガァーッ」という豪快ないびきと昼間の眠気が特徴的ですが、女性の場合は症状が少し異なります。 気道が完全に閉じるのではなく、狭くなって呼吸抵抗が増える状態が続くことが多く、いびき音は小さめです。その代わり、呼吸努力による覚醒で「夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)」といった不眠症状や、起床時の頭痛、肩こり、冷え性、倦怠感などが強く出ることがあります。 「眠くないから無呼吸ではない」と思い込まず、原因不明の不調が続く場合は疑ってみる必要があります。
