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Column

コラム

【191】そもそも、なぜ人間はいびきをかくのですか?(進化論的理由)

「言葉」を話すために喉の構造が変化した代償だと言われています。

犬や猫などの動物と違い、人間は複雑な言葉を話すことができます。これは、進化の過程で喉仏(喉頭)の位置が下がり、口と喉の間に広い空間(咽頭スペース)ができたためです。 この空間のおかげで声を響かせることができますが、同時に、仰向けに寝ると舌や筋肉がその空間に落ち込みやすくなり、気道が塞がるという構造的な弱点を持ってしまいました。いびきは、人間が言葉を手に入れた代償とも言える現象なのです。

参考文献 (References)

1. 言葉の獲得と無呼吸リスクの「トレードオフ」を示した研究

  • Davidson TM. The Great Leap Forward: the anatomic basis for the acquisition of speech and obstructive sleep apnea. Sleep Medicine. 2003.
    • 解説: カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者による有名な論文です。
    • 人間の気道の進化(顎が小さくなり、舌が喉の奥に下がり、喉頭が下降したこと)は、複雑な**「言語(Speech)」を話す能力を飛躍的に高めた一方で、その解剖学的な代償として「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」**になりやすい脆弱な気道構造をもたらしたとする仮説(The Great Leap Forward仮説)を提唱しています。

2. 喉頭の進化と言語能力に関する基礎研究

  • Lieberman P. The Evolution of Human Speech: Its Anatomical and Neural Bases. Current Anthropology.
    • 解説: 言語進化論の権威フィリップ・リーバーマン博士による研究です。
    • チンパンジーなどの霊長類や人間の新生児は、喉頭が高い位置にあるため、鼻で息をしながら同時にミルクを飲むことができます(誤嚥しにくい)。
    • しかし成人の人間は、喉頭が下がることで多様な声を出せるようになった代わりに、食物が気管に入りやすくなり、睡眠中には重力で舌が落ち込んで気道を塞ぎやすくなってしまったメカニズムを解説しています。
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