緑内障の人はCPAP治療に注意が必要と聞きましたが?
眼圧への影響や、マスクからの空気漏れに注意が必要な場合があります。
睡眠時無呼吸症候群自体が、視神経への血流障害を起こし「緑内障」のリスクを高めることが分かっています。そのため、SASの治療は目にとってもプラスになります。 ただし、CPAPのマスクから漏れた空気が目に当たり続けると、ドライアイを悪化させたり、稀に眼圧に影響したりすることがあります。 緑内障で治療中の方は、必ず主治医(眼科医)に「CPAP治療を始める」ことを伝え、連携して経過観察を行うようにしてください。
参考文献 (References)
1. CPAP使用中に眼圧が上昇することを確認した研究
- Kjeka O, et al. Effect of continuous positive airway pressure on intraocular pressure in obstructive sleep apnea. PLoS One. 2013.
- 解説: 睡眠時無呼吸症候群の患者さんがCPAPを使用した際の眼圧変化を測定した研究です。
- CPAPを使用している間は、使用していない時に比べて眼圧が有意に上昇することが確認されました。
- ただし、その上昇幅は多くの患者さんにおいて許容範囲内でしたが、緑内障の患者さんではこのわずかな上昇が影響する可能性があるため、注意深いモニタリングが必要であると結論づけています。
2. そもそも「無呼吸」が緑内障のリスクであるというデータ
- Lin CC, et al. Obstructive sleep apnea and increased risk of glaucoma: a population-based matched-cohort study. Ophthalmology. 2013.
- 解説: 台湾で行われた大規模な疫学調査です。
- 睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、健康な人に比べて**「開放隅角緑内障」を発症するリスクが約1.67倍高い**ことが示されました。
- 無呼吸による「低酸素(視神経へのダメージ)」や「血管の収縮」が原因と考えられており、CPAP治療で酸素状態を良くすることは、長期的には目の保護につながると考えられています。
3. マスクからの「空気漏れ」による眼への悪影響
- Harrison W, et al. Eye problems in patients with sleep apnea syndrome using continuous positive airway pressure. Clinical and Experimental Optometry.
- 解説: 眼圧だけでなく、マスクの隙間から漏れた空気が目に当たり続けることで起こるトラブル(ドライアイ、角膜炎、結膜炎など)について報告されています。
- これらが慢性化すると目の不快感につながるため、緑内障の管理とともに「マスクのフィッティング(空気漏れ対策)」を適切に行うことが重要であるとされています。
