【206】痛風(高尿酸血症)の発作を繰り返すのですが、関係ありますか?
酸素不足になると、体内で尿酸がたくさん作られてしまいます。
呼吸が止まって細胞が酸欠状態になると、エネルギーの燃えカスとして「尿酸」が過剰に産生されます。さらに、無呼吸による腎機能への負担で、尿酸の排泄も悪くなります。お酒を控えても尿酸値が高い場合、SASの治療を行うことで数値が改善することがあります。
参考文献 (References)
1. 無呼吸が痛風の独立したリスク因子であることを証明した研究
- Zhang Y, et al. Sleep apnea and the risk of incident gout: a population-based, body mass index-matched cohort study. Arthritis & Rheumatology. 2015.
- 解説: 英国のデータベースを用いた大規模な研究です。
- 睡眠時無呼吸症候群の患者9,865人と、そうでない人を比較した結果、肥満(BMI)の影響を統計的に取り除いてもなお、無呼吸がある人は痛風を発症するリスクが約1.7倍高いことが判明しました。
- これにより、太っているから痛風になるだけでなく、無呼吸そのものが直接的な原因であることが証明されました。
2. 重症度と尿酸値の相関(疫学調査)
- Hirotsu C, et al. Association between uric acid levels and obstructive sleep apnea syndrome in a large epidemiological sample. PLoS One. 2013.
- 解説: ブラジルの一般住民を対象とした大規模な疫学調査です。
- 無呼吸の重症度(AHI)や低酸素の程度が悪化すればするほど、血液中の尿酸値が高くなるという明確な相関関係が示されました。
- また、夜間の酸素飽和度が低い人ほど尿酸値が高いことから、低酸素血症が尿酸代謝に悪影響を与えていることが確認されました。
3. メカニズムの解明とメタ解析
- Shi T, et al. A meta-analysis of the association between gout, serum uric acid level, and obstructive sleep apnea. Arthritis Research & Therapy. 2019.
- 解説: 過去の複数の研究を統合したメタ解析論文です。
- SAS患者は健常者に比べて有意に血清尿酸値が高く、CPAP治療を行うことで尿酸値が低下する傾向があることが示されました。
- 結論として、SASの治療(CPAPなど)は、痛風発作の予防において重要な役割を果たす可能性があると述べられています。
