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コラム

【162】 鼻の手術(鼻中隔湾曲症の手術)だけで無呼吸は治りますか?

鼻通りは良くなりますが、無呼吸の「完治」までは難しいことが多いです。

鼻中隔湾曲症や慢性副鼻腔炎の手術を行うと、鼻呼吸が非常に楽になります。これにより、いびきが軽減したり、睡眠の質が上がったりする効果は十分に期待できます。 しかし、無呼吸の主原因である「喉の奥の閉塞」までは解消されないことが多いため、手術後もCPAP治療の継続が必要になるケースが一般的です。 ただし、鼻が通るようになることでCPAPの圧力を下げることができ、治療が快適になるという大きなメリットがあります。

参考文献 (References)

1. 手術単独での治療効果(AHIの変化)に関するメタ解析

  • Li HY, et al. Literature review of the outcome of nasal surgery on obstructive sleep apnea. American Journal of Otolaryngology. 2011.
    • 解説: 過去の多くの研究論文を統合して解析(メタアナリシス)した研究です。
    • 鼻の手術を行ったSAS患者さんのデータを分析した結果、「いびきや日中の眠気などの自覚症状は有意に改善する」ものの、肝心の「AHI(無呼吸低呼吸指数)の改善効果はわずかである」と結論づけています。
    • これにより、鼻の手術は単独での根治療法としては推奨されにくいというエビデンスになっています。

2. CPAP治療への好影響(コンプライアンスの向上)

  • Camacho M, et al. The effect of nasal surgery on continuous positive airway pressure device use and pressure requirements: a systematic review and meta-analysis. Sleep. 2015.
    • 解説: 鼻の手術がCPAP治療に与える影響を調べたシステマティックレビューです。
    • 手術によって鼻腔抵抗(空気の通りにくさ)が減ることで、CPAPの設定圧を下げることができ、結果として「CPAPを使える時間(アドヒアランス)が長くなり、治療継続率が上がる」ことが示されました。
    • 「鼻が苦しくてCPAPが使えない」という人にとっては、手術が突破口になることを裏付けています。

3. 日本の診療ガイドライン

  • 日本呼吸器学会
    • 『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020』
    • 解説: 外科的治療の項目において、鼻手術は「鼻閉(鼻づまり)の改善や、CPAP導入・継続の補助的な治療として考慮されるべき」との位置づけがなされています。
    • 単独治療としての推奨度は高くありませんが、保存的治療(CPAPやマウスピース)の効果を高めるためのオプションとして重要視されています。
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