寝る前のスマホ操作(ブルーライト)は無呼吸に影響しますか?
脳を覚醒させ、睡眠のリズムを乱すため、症状を悪化させる要因になります。
スマートフォンの画面から出るブルーライトは、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制し、脳に「今は昼だ」と勘違いさせてしまいます。 これにより寝つきが悪くなるだけでなく、無呼吸による中途覚醒と相まって、夜中に目が覚めた後に再び眠れなくなる原因にもなります。理想は就寝の1~2時間前からスマホを手放すことですが、難しい場合は画面の明るさを下げたり、ナイトモード(暖色系の画面)を活用したりしましょう。
参考文献 (References)
1. 電子機器の光が睡眠と体内時計に与える悪影響を証明した研究
- Chang AM, et al. Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness. Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS). 2015.
- 解説: 米国科学アカデミー紀要に掲載された、非常に有名なハーバード大学の研究です。
- 寝る前にiPadなどの発光するタブレット端末を使って読書をしたグループは、紙の本で読書をしたグループに比べて、以下の悪影響が出ることが確認されました。
- メラトニンの分泌が50%以上抑制された
- 体内時計のリズムが約1.5時間後ろにズレた(夜更かし型になった)
- レム睡眠(脳の回復に必要な睡眠)の量が減少した
- 翌朝の眠気が強くなった
- この研究は、SAS患者さんが寝る前にスマホを見ることで、治療(CPAPなど)の効果を自ら下げてしまうリスクがあることを示唆しています。
2. ブルーライトの波長とメラトニン抑制の関係
- Cajochen C, et al. High sensitivity of the human circadian melatonin rhythm to resetting by short wavelength light. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 2003.
- 解説: 人間の目がどの色の光に反応するかを調べた研究です。
- 波長の短い光(青色=ブルーライト、約460nm付近)が、他の色の光に比べて最も強力にメラトニンの分泌を止めるスイッチになってしまうことを突き止めました。
- これにより、寝室の照明を暖色系(オレンジ色)にする推奨の根拠となっています。
3. 日本の公的指針
- 厚生労働省
- 『健康づくりのための睡眠指針 2014』
- 解説: 第9条において「就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける」とともに、「自分にあったリラックス法を見つける(寝床に入ってからの携帯電話等の操作は避ける)」ことが明記されています。
- 強い光を浴びることが覚醒を助長し、入眠を妨げる要因として公式に注意喚起されています。
