睡眠時無呼吸症候群が招く、うつ症状と睡眠の質について
睡眠時無呼吸症候群が招く「メンタル不調」。うつ症状と睡眠の質について
「最近、なんとなく気分が落ち込む」 「仕事に行くのが億劫で、やる気が出ない」 「心療内科でうつ病の薬をもらっているが、なかなか良くならない」
心の不調を感じたとき、多くの人はストレスや精神的な疲れを疑います。しかし、そのメンタル不調の原因が、実は【夜の睡眠中の呼吸】にあるとしたらどうでしょうか?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、単にいびきをかいたり眠くなったりするだけの病気ではありません。脳と自律神経に深刻なダメージを与え、うつ病とそっくりの症状を引き起こすことが知られています。
今回は、神戸元町呼吸器内科・アレルギー科クリニックが、心と睡眠の密接な関係について解説します。
1. なぜ、睡眠不足だと心が病むのか?
私たちの脳は、寝ている間に感情の整理やメンテナンスを行っています。特に重要なのが、心を安定させる脳内物質【セロトニン】の分泌です。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させ、前向きな気持ちを作り出す働きがあります。しかし、質の良い睡眠がとれていないと、このセロトニンの分泌量が低下してしまいます。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、呼吸が止まるたびに脳が覚醒(マイクロ覚醒)してしまうため、深い睡眠がほとんどとれません。その結果、セロトニン不足に陥り、以下のような精神症状が現れやすくなります。
・些細なことでイライラする ・不安感が強く、落ち着かない ・集中力が続かず、ミスが増える ・何をするのも面倒くさい(意欲の低下)
これらは、うつ病の診断基準に含まれる症状と非常に酷似しています。
2. うつ病患者の約3割に「無呼吸」が潜んでいる
実は、うつ病と診断されている患者さんのうち、【約3割〜4割】が睡眠時無呼吸症候群を合併しているという研究データがあります。
さらに問題なのは、SASが原因でメンタル不調が起きている場合、一般的な抗うつ薬(SSRIなど)だけでは効果が出にくいということです。これを「治療抵抗性うつ病」と呼ぶことがあります。
もし、あなたがうつ病の治療を長く続けているのに改善の実感がない場合、あるいは薬を飲むと余計に眠気やだるさが強くなる場合は、一度「睡眠」を疑ってみる必要があります。抗うつ薬の中には、筋肉の緊張を緩める作用があるものもあり、それがかえっていびきや無呼吸を悪化させているケースさえあるのです。
3. 「純粋なうつ」と「無呼吸によるうつ」の見分け方
専門医による診断が必要ですが、自分でチェックできるいくつかの特徴的な違いがあります。SASが原因の場合、精神的な落ち込みだけでなく、【身体的な症状】が強く出やすい傾向があります。
【SASによるメンタル不調の特徴】
1.日中に「強烈な眠気」がある(会議中や運転中など)
2.朝起きた時の疲労感が強く、頭痛がすることがある
3.夜中に何度もトイレに起きる
4.体重が増加傾向にある(または肥満体型である)
いびきをかいていると指摘されたことがある
純粋なうつ病では「不眠(寝つけない、朝早く目が覚める)」を訴えることが多いのに対し、SASによるうつの場合は「過眠(いくら寝ても眠い、どこでも寝てしまう)」を訴えることが多いのが大きな違いです。
4. 睡眠を治療すれば、心も晴れる
「私の性格が弱いからだ」と自分を責める必要はありません。その気分の落ち込みは、脳の酸欠という物理的な要因で起きている可能性があるからです。
もし原因がSASであれば、CPAP(シーパップ)療法などで睡眠中の呼吸を確保することで、メンタルヘルスが劇的に改善することが多々あります。
・脳に酸素が行き渡り、頭がスッキリする
・セロトニンが正常に分泌され、意欲が湧いてくる
・熟睡できることで自律神経が整い、イライラが減る
実際に当院でも、SASの治療を開始してから「表情が明るくなった」「仕事に復帰できた」「抗うつ薬を減らすことができた」という患者様がたくさんいらっしゃいます。

まとめ:心療内科に行く前に、呼吸器内科も選択肢に
心の不調は、目に見えないだけに辛いものです。 しかし、その原因が「睡眠」という身体的な問題にあるのであれば、適切な治療法が存在します。
・薬を飲んでも気分が晴れない
・とにかく体がだるくてやる気が出ない
・家族にいびきを指摘されている
これらに当てはまる方は、心の病気を疑う前に、一度神戸元町呼吸器内科・アレルギー科クリニックへご相談ください。 当院では、心療内科やかかりつけ医とも連携しながら、あなたの心と体を「睡眠」からサポートします。
① いびきの種類と原因(鼻、口蓋、喉の異常など)
● いびきの種類と主な原因
単純性いびき(良性いびき):睡眠中だけのいびきで、呼吸が止まらないタイプ
睡眠時無呼吸症候群(SAS):いびきとともに呼吸停止を伴う。特に注意が必要
| 部位 | 原因 |
|---|---|
| 鼻 | 鼻づまり、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症 |
| 口蓋(上あご) | 軟口蓋が垂れ下がり、空気の通り道が狭くなる |
| 喉 | 扁桃腺肥大、舌根の沈下(特に仰向け睡眠時) |
② 日常生活でできる対処法
● 姿勢の工夫
横向き寝:仰向け寝では舌が喉の奥に沈みやすくなるため、横向きが効果的
抱き枕や体位保持クッションを使用すると継続しやすい
● 枕・寝具の見直し
高すぎる枕は気道を圧迫する原因に
頸椎を自然なカーブに保てる枕が理想
● 生活習慣の改善
禁煙・節酒:喉の粘膜を荒らす要因
ダイエット:特に首回りの脂肪が減ると気道が広がりやすい
適度な運動と睡眠リズムの確立
神戸元町呼吸器内科・アレルギークリニックで治療を受けるメリット・当院の強み
● 神戸元町でいびき治療を受けるメリット
・通いやすさ:神戸市街地・JR元町駅東口からの1分のアクセス
・高齢者・ビジネスパーソンが多く、早期受診の意識が高い地域
・睡眠に悩む人が多く、地域密着型の医療機関が求められている
・夜遅くまで対応、お休みの日も診療可能
*詳細はスケジュールをご確認ください。
● 神戸元町呼吸器内科・アレルギークリニックの強み
・呼吸器専門医による診察
・睡眠ポリグラフ検査など専門性の高い検査体制
・呼吸器・アレルギーに強く、慢性疾患との併発リスクにも対応可能
・丁寧な問診と生活指導
一人で抱え込まず、まずは簡単な検査で原因を探ってみませんか?
参考文献
・日本うつ病学会「うつ病治療ガイドライン」
・日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」
・Schroder CM, O’Hara R. Depression and Obstructive Sleep Apnea (OSA). Ann Gen Psychiatry. 2005.(うつ病とSASの関連性についての研究)
・Wheaton AG, et al. Sleep disordered breathing and depression among U.S. adults: National Health and Nutrition Examination Survey, 2005-2008. Sleep. 2012.(SASとうつ症状の有病率に関する大規模調査)
睡眠時無呼吸症候群について、よくいただくご質問はこちらをご確認ください。
→よくある質問
睡眠時無呼吸症候群についてさらに詳しい内容はこちらをご覧ください。
→神戸元町呼吸器内科・アレルギークリニック
→ 睡眠時無呼吸症候群に関する詳しい情報は 厚生労働省公式ページ をご参照ください。
