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CPAPとマウスピース、自分に合うのはどっち?重症度による治療法の違い

CPAPとマウスピース、自分に合うのはどっち?重症度による治療法の違い

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療と聞くと、鼻にマスクをつける「CPAP(シーパップ)」を思い浮かべる方が多いでしょう。 しかし、患者さんの中には「あのマスクをつけて寝るのは抵抗がある」「出張が多いから荷物になるのは困る」という方もいらっしゃいます。

実は、SASの治療法はCPAPだけではありません。 軽症から中等症の方には、歯医者さんで作るマウスピース(オーラルアプライアンス)という選択肢があります。

「どっちを選べばいいの?」 「私はいびきがひどいけど、マウスピースで治る?」
そんな疑問にお答えするために、今回は神戸元町呼吸器内科・アレルギー科クリニックが、2つの治療法の違いと選び方について解説します。

1.運命の分かれ道は「AHI(重症度)」

どちらの治療法になるかは、患者さんの好みだけで決めることはできません。 最も重要な判断基準となるのが、検査で測定したAHI(無呼吸低呼吸指数)という数値です。これは「1時間あたりに呼吸が止まった(または浅くなった)回数」を示します。

【治療法選択の目安(保険適用基準)】
・軽症(AHI 5〜15未満):主に生活習慣の改善、またはマウスピース
・中等症(AHI 15〜30未満):マウスピース、または症状が強い場合はCPAP
・重症(AHI 30以上):原則としてCPAP

つまり、重症の方はCPAPが第一選択となり、軽〜中等症の方はマウスピースが選択肢に入ってくる、というのが基本的な考え方です。

2.治療法の王様「CPAP療法」

・仕組み: 鼻マスクから空気を送り込み、空気の圧力で内側から気道を押し広げます。
・メリット: 効果が最強です。重症の無呼吸でも強制的に気道を確保できるため、治療したその日からいびきが止まり、無呼吸がなくなります。脳卒中などの合併症予防効果も実証されています。
・デメリット: 装置がやや大きく、電気が必要です。装着時の違和感に慣れるまで時間がかかることがあります。
・向いている人: AHIが20〜30以上の中等症〜重症の方。肥満があり首回りの脂肪が多い方。

3.手軽さが魅力「マウスピース療法(OA)」

専門的には「口腔内装置(OA)」や「スリープスプリント」と呼ばれます。ボクシングのマウスピースのような形状ですが、上下の歯を固定する作りになっています。

・仕組み: 装着すると下あごが少し前に出た状態(受け口の状態)で固定されます。下あごを前に出すことで、のどの奥の隙間が広がり、舌が落ち込むのを防ぎます。

マウスピースを装着することで下あごが前に出て、気道が広がる様子の断面図

[図解:マウスピースを装着することで下あごが前に出て、気道が広がる様子の断面図イラスト]

・メリット: 小型で軽量、電源も不要です。出張や旅行にもポケットに入れて持ち運べます。装着の違和感が比較的少なく、見た目も目立ちません。

・デメリット: 重症の方(気道閉塞が強い方)には効果が不十分な場合があります。また、顎関節症の方や、歯の本数が少ない方は作成できないことがあります。使用後にあごの痛みを感じることがあります。

・向いている人: 軽症〜中等症の方。あごが小さい(小顎症)ことが原因で無呼吸になっている方。CPAPがどうしても合わなかった方。

4.徹底比較!あなたに合うのはどっち?

分かりやすく項目別に対決させてみました。
【治療効果】
CPAP:◎(非常に高い) マウスピース:◯(軽症〜中等症には有効)

【手軽さ・持ち運び】
CPAP:△(専用バッグが必要、電源必須) マウスピース:◎(ポケットサイズ、どこでも使える)

【違和感】
CPAP:△(顔への圧迫感、空気圧) マウスピース:◯(口の中の異物感、あごの疲れ)

【費用(3割負担)】
CPAP:月額 約5,000円(レンタル継続)
マウスピース:作成時 約15,000円〜20,000円程度
(基本的に一度作れば維持費はかかりません)

5.マウスピースを作りたい時はどうする?

「私はマウスピースが良い!」と思っても、いきなり歯医者さんに行って作ることはできません。 睡眠時無呼吸症候群の治療用マウスピースを保険で作るには、医科(呼吸器内科など)からの【紹介状(診療情報提供書)】が必須だからです。

【作成の流れ】
1.当院(呼吸器内科)で検査を受け、SASの診断を受ける。
2.医師が「マウスピース適応」と判断した場合、連携している歯科医院への紹介状を書く。
3.歯科医院を受診し、歯型を取ってマウスピースを作成する。
4.完成後、当院で効果判定(簡易検査)を行う。
当院では、SAS治療に詳しい専門の歯科医院と連携していますので、スムーズにご案内が可能です。

まとめ:自分のタイプに合った治療を選ぼう

「CPAP」と「マウスピース」。 どちらも素晴らしい治療法ですが、大切なのは【自分の重症度と原因に合っているか】です。
重症なのに「楽だから」とマウスピースを選んでも、無呼吸が治りきらず、心臓への負担が残ってしまうかもしれません。逆に、軽症なのにCPAPを使うのはオーバースペックかもしれません。
神戸元町呼吸器内科・アレルギー科クリニックでは、検査結果に基づき、あなたのライフスタイルも考慮した上で、ベストな治療法を一緒に考えます。 「まずは検査だけ」でも構いません。お気軽にご相談ください。

参考文献
・日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」
・日本睡眠学会「睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置ガイドライン」
・Lim J, et al. Oral appliances for obstructive sleep apnoea. Cochrane Database Syst Rev. 2006.(OA治療の効果に関するシステマティックレビュー)
・Phillips CL, et al. Health outcomes of continuous positive airway pressure versus oral appliance treatment for obstructive sleep apnea: a randomized controlled trial. Am J Respir Crit Care Med. 2013.(CPAPとOAの治療効果比較)

睡眠時無呼吸症候群について、よくいただくご質問はこちらをご確認ください。
よくある質問

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神戸元町呼吸器内科・アレルギークリニック

→ 睡眠時無呼吸症候群に関する詳しい情報は 厚生労働省公式ページ をご参照ください。

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