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「夜間頻尿」で何度も目が覚める…泌尿器科ではなく無呼吸が原因の場合も

「夜間頻尿」で何度も目が覚める…泌尿器科ではなく無呼吸が原因の場合も

「夜中、トイレに行くために2回も3回も目が覚める」 「そのせいで睡眠不足になり、昼間がつらい」 「歳のせいだから、仕方ないと思っている」
このような「夜間頻尿」の悩みをお持ちの方は、まず泌尿器科を受診されることが多いでしょう。 もちろん、男性なら前立腺肥大症、女性なら過活動膀胱などが原因であることは多々あります。
しかし、「泌尿器科の薬を飲んでも回数が減らない」、あるいは「特に膀胱や前立腺に異常はないと言われた」という場合、その原因は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」にある可能性が非常に高いのです。
なぜ、「呼吸」が止まると「おしっこ」に行きたくなるのでしょうか? 今回は、神戸元町呼吸器内科・アレルギー科クリニックが、意外なつながりについて解説します。

1.なぜ、無呼吸だとトイレが近くなるの?(メカニズム)

「膀胱がいっぱいになったから目が覚める」のではなく、「無呼吸のせいで、体が尿を大量に作ってしまう」というのが正解です。 ここには、心臓を守るためのホルモンが深く関わっています。

① 心臓への負担が増える
睡眠中に気道が塞がって呼吸ができなくなると、胸の中の圧力(胸腔内圧)が大きく変化し、無理やり呼吸をしようとすることで心臓に強い負荷がかかります。 心臓は「苦しい!血液(水分)が多すぎてパンクしそうだ!」と錯覚を起こします。

② 利尿ホルモン(ANP)の放出
負担を感じた心臓は、自分を守るために「心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)」というホルモンを放出します。 このホルモンには、「血液中の水分を尿として外に出し、血液量を減らして心臓を楽にする」という働きがあります。

③ 夜中に尿が作られ続ける
通常、寝ている間は「抗利尿ホルモン」が出て尿の量が抑えられますが、SAS患者さんの体内では、上記のANPが「尿を作れ!」と指令を出し続けます。 その結果、夜中にもかかわらず大量の尿が作られ、何度もトイレに行きたくなってしまうのです。

2.泌尿器科の病気との「違い」はある?

夜間頻尿の原因が「睡眠時無呼吸症候群」なのか、それとも「過活動膀胱などの泌尿器疾患」なのかを見分けるヒントがあります。
尿の「量」に注目してください

• 泌尿器疾患(過活動膀胱など)の場合: 「トイレに行きたい!」という尿意は強いものの、行ってみると尿の量は少ない(チョロチョロとしか出ない)ことが多いです。これは膀胱が過敏になっているためです。

• 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の場合: ホルモンの作用で尿そのものが作られているため、毎回しっかりとした量(多尿)が出ます。
「毎回たっぷりと尿が出るのに、何度も起きる」という方は、SASの疑いが濃厚です。

3.「夜のトイレ」は転倒や骨折の入り口

夜間頻尿を「ただトイレに行くだけ」と軽く考えてはいけません。特にご高齢の方にとって、夜中に暗い中を歩くことは大きなリスクを伴います。

• 転倒・骨折のリスク: 寝ぼけた状態で歩くため、廊下でつまずいたり、トイレで転んだりする事故が多発しています。大腿骨を骨折すれば、そのまま寝たきりになるリスクもあります。

• ヒートショックのリスク: 冬場、暖かい布団から寒いトイレへの移動は、血圧を乱高下させ、脳卒中や心筋梗塞の引き金になります。

• 睡眠の分断: トイレに起きるたびに睡眠が中断され、深い睡眠がとれないため、日中の認知機能低下や居眠りにつながります。

4.無呼吸を治療すれば、トイレの回数は減る

もし原因がSASであれば、CPAP(シーパップ)療法などで無呼吸を治療することで、夜間頻尿は劇的に改善します。
気道が確保されて呼吸が安定すると、

1.心臓への負担がなくなる。
2.利尿ホルモン(ANP)の過剰分泌が止まる。
3.夜中に尿が作られなくなる。

その結果、「治療を始めたその晩から、朝まで一度も起きずに眠れた!」と感動される患者さんが非常に多いのです。 膀胱の薬を飲み続ける必要もなくなります。

まとめ:泌尿器科に行く前に、いびきのチェックを

「夜のトイレが近い」 そう感じたら、泌尿器科に行くのも大切ですが、同時にご自身の「睡眠」も疑ってみてください。

• いびきをかいている
• 日中の眠気がある
• 高血圧の治療をしている
• 夜、たっぷりと尿が出る


これらに当てはまる方は、睡眠時無呼吸症候群が原因である可能性が高いです。
神戸元町呼吸器内科・アレルギー科クリニックでは、夜間頻尿に悩む患者様の睡眠検査を行っています。 「歳のせい」と諦めていたその悩み、実は「呼吸」を治すだけで解決するかもしれません。 快適な睡眠と、安心な夜を取り戻すために、ぜひ一度ご相談ください。

参考文献
• 日本泌尿器科学会「夜間頻尿診療ガイドライン」
• 日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」
• Umlauf MG, et al. The relationship between sleep disordered breathing and nocturia. Urol Nurs. 2002.
• Krieger J, et al. Atrial natriuretic peptide and the diuresis of obstructive sleep apnea. (SAS患者におけるANPと利尿作用に関する研究)

睡眠時無呼吸症候群について、よくいただくご質問はこちらをご確認ください。
よくある質問

睡眠時無呼吸症候群についてさらに詳しい内容はこちらをご覧ください。
神戸元町呼吸器内科・アレルギークリニック

→ 睡眠時無呼吸症候群に関する詳しい情報は 厚生労働省公式ページ をご参照ください。

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